ユニットの職員配置調査 介護報酬改定も視野に〈厚労省〉

2023年0126 福祉新聞編集部

 厚生労働省の「社会保障審議会介護給付費分科会」が16日に開かれ、2024年度介護報酬改定に向けて行う六つの調査研究事業の内容と日程を固めた。ユニット型施設と夜間の認知症グループホームの職員配置に関わる調査研究などを実施し、年内の審議報告まとめに向けた議論に間に合うよう速報値を9月ごろ報告する。

 

 21年度改定で特別養護老人ホームなどの1ユニットの定員は、従来の10人から最大15人まで認められ、ユニット型と従来型を併設する場合は介護、看護職員の兼務を可能とした。

 

 調査では、1ユニットの定員が10人超を含めたユニット型施設に職員配置、人材育成・定着、入浴・食事などのケア、ユニットリーダーの配置、併設の場合の職員の兼務状況、運用の課題などを聞き、必要な見直しを検討する。

 

 認知症グループホームについては、21年度改定で3ユニットの場合に夜勤を2人以上に緩和できるとしたことから、その実施状況、運営への影響などを把握するとともに、3ユニット2人夜勤の導入事業所などに対する効果実証を行う。

 

 そのほか、21年度改定で義務化(3年間の経過措置あり)された業務継続計画(BCP)の策定状況を含め、事業所の業務継続の取り組みとオンライン会議などICT(情報通信技術)の活用状況の実態把握を行う。

 

 LIFE(科学的介護情報システム)の活用状況とADL(日常生活動作)維持等加算の拡充の影響▽認知症介護基礎研修受講義務化の効果▽老人保健施設と介護医療院のサービス提供実態――に関する調査も行う。

 

 調査研究事業は分科会の「21年度介護報酬改定に関する審議報告」で示された課題から、改定事項の影響などを把握するためにテーマを抽出して単年度ごとに行っている。21年度は4件、22年度は5件実施した。

同時改定へ意見交換

 同日の分科会では、24年度は介護報酬と診療報酬の同時改定になることから、中央社会保険医療協議会の委員との意見交換会を設けることが決まった。コロナを踏まえた今後の対応、40年を見据えた問題や方向性などを共有する。具体的な報酬の議論は行わない。

 

 3月以降に3回程度開く。意見は分科会、中医協のほか、24年度は障害福祉サービス報酬改定も行われることから、障害福祉の検討チームにも報告する。

 

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