社会福祉法人からしだね、子ども食堂開設5周年 「物価高に負けない」
2022年07月14日 福祉新聞編集部社会福祉法人からしだね(春見静子理事長・東京都)が今年8月、子ども食堂の開設5周年を迎える。社会福祉法ですべての社会福祉法人の責務とされた「地域公益活動」として毎週水曜日、法人内の一室で夕食を20食提供。ひとり親家庭などの幼児や小中学生がくつろいでいる。
今年の夏休みは1回50食の特別食堂を2回開く。自らキッチンに出向いて子どもたちに声を掛ける春見理事長は「コロナ禍でも緊急事態宣言の期間を除いて休まず続けてきた。食材費の高騰にも負けない」と意気込む。
食堂の名称は「じぃじハウス・ばぁばキッチン」。調理や配膳を法人職員、地元の民生委員、地域のボランティアら年配者が担い、孫のような年齢の子どもたちと触れあうことからこの名称をつけた。
からしだねは保育所、児童発達支援センター、相談支援事業所を運営する法人で、設立は1971年。うめだ「子供の家」(保育所)は異年齢児が同じクラスで生活する「モンテッソーリ教育」を日本で初めて採り入れた。
園のある足立区は就学援助を受ける小中学生の割合が国の平均値の2・4倍(2013年度)と高く、15年度から子どもの貧困対策に力を入れている。からしだねはそれを踏まえ、17年8月に子ども食堂を開始。19年7月からは、小中学生を対象とした「無料塾」を毎週土曜日に開いている。