避難のウクライナ女性、社福法人のいちご農園で働き始める
2022年05月16日 福祉新聞編集部ウクライナから避難してきた女性が、福岡県田川市にある社会福祉法人猪位金福祉会(佐々木陽子理事長)が運営するいちご農園で働き始めた。4月25日、入職式で辞令交付を受けたエカテリーナ・チャプリンシカさん。生活の支えにつながるので、働けることはうれしいと意欲を見せているという。
エカテリーナさんは母国に両親と夫を残し、3月中旬、同市に住む姉を頼って3歳の娘と来日した。
市が働く場の提供を呼び掛け、同法人が応じた。英語を話せる職員がおり、事業所内保育所を運営しているため、娘と一緒に通い、就業中に預けることができる。佐々木理事長は「ウクライナの惨禍を見て心を痛めている。少しでも支えになれば」と話している。
いちご農園は昨年7月に開設。ビニールハウス4棟で「あまおう」を栽培する。エカテリーナさんは非常勤職員として週3~4日、1日3~5時間、いちごの収穫やパック詰め、次シーズンに向けた育苗などの作業を行う。農園の閑散期には本人の意向も踏まえ、別の仕事をしてもらうことを検討する。
同法人は主に在宅系の介護保険サービスを提供しており、外国人の受け入れは初めて。農園で一緒に働くアグリ事業部の黒木誠さんは「他の職員と分け隔てなく、楽しく働けるようにサポートしていきたい」と話している。