医療機関の15%で性被害トラブル こども家庭庁が実態調査

2026年0508 福祉新聞編集部

 こども家庭庁は4月28日、医療機関における性被害の実態調査の結果を公表した。有効回答は903医療機関の15・5%に当たる140医療機関で、過去に性的トラブル(疑いも含む)が発生。このうち調査や聞き取りの結果、性的被害だと確認された事案があったのは36医療機関だった。同庁によると、こうした調査は初とみられる。

 12月25日に施行を控える、こどもと接する仕事をする人の性犯罪歴の有無を確認する「こども性暴力防止法」で医療機関は犯歴確認の対象外。一方、同法の付帯決議では「医療機関を対象事業とすることについても検討する」と明記されている。これを踏まえ、医療従事者による、こどもを含めた患者への性被害の実態を把握しようと調査を実施した。

 病院や精神科病院、歯科診療所など5000医療機関へのアンケートを昨年12月~今年1月に実施し、1113件の回答を得た。

 結果によると、加害行為をした医療従事者の所属は心療内科・精神科と内科が多く、発生場所は入院病室が最多。行為では身体的接触(性的部位)、同(性的部位以外)が上位を占めた。

 加害行為を行った医療従事者の職種では看護職員(看護師や保健師ら)が最も多く、次いで医師だった。発生要因を尋ねると、「患者と職員が1対1になっていた」が5割を占めた。

 被害を受けた患者は大半が女性だった。性的トラブルでは外来患者、性的被害では入院患者が多く、年齢はともに「19~30代」が最多。こどもでは、性的トラブルで6~12歳3・7%、13~18歳6・4%、性的被害で13~18歳3・3%だった。

 このほか、厚生労働省の協力を得て性被害に関する処分事案も調査。2016~25年度に性被害に関する医療従事者の行政処分は150件に上った。

 調査の検討に当たった同庁の有識者研究会では被害が多くみられた精神科をめぐり、「第三者同席を必ずしも求めることができない難しい領域」「教育の中で患者との適切な距離感の保ち方を教えるなどの対応が必要」といった意見が上がったという。

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