自然保育特化の授業開始 指導者資格の取得も(高田短期大、三重)
2025年02月18日 福祉新聞編集部
津市の保育者養成校「高田短期大」(清水谷正尊学長)は本年度、自然との触れ合いを通じてこどもの感性などを育む「自然保育」に特化した授業を始めた。座学やフィールドワークを通じて自然体験活動の技術や安全管理を学び、国立青少年教育振興機構と自然体験活動推進協議会の官民協働による「自然体験活動指導者(NEAL)」資格を取得できることも魅力になっている。
国宝建造物に指定されている高田本山専修寺を母体とする同短大は1966年に開学した。当時の「保育科」は、現在「子ども学科」(定員150人)と改称しており、県内でも数少ない保育者養成校の一つだ。森林の一部を教員らが自然保育を学ぶフィールドとして整備した「たかたんフォレスト」が同短大に隣接しており、ゼミ活動などでも活用している。
近年、自然保育の認証制度を設けて実施を後押しする自治体も出てきており、情報発信や国への提言を目的とした「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」も立ち上がっている。三重県では2023年に同短大や県内の保育団体、自治体などでつくる「みえ自然保育協議会」が発足している。
こうした動向も踏まえ、同短大は自然保育の学びを深めるため、今年度新たに「たかたん保育特別演習(自然保育)」を開講した。2年後期(9月~翌年1月)に受講できる選択科目。担当教員は、子ども学科長の福西朋子教授のほかに、自然体験活動のスペシャリストでNEAL養成に携わる谷慶子さんを非常勤講師として迎えた。
初年度は学生14人が受講し、全員がNEAL資格の試験に合格。フィールドワークではロープと枝を使ってテントを設営したり、火おこしを伴う野外調理に挑戦したりして自然体験活動を実践。また、川遊び活動を例にリスク発見のグループワークを行うなど安全管理への理解も深めた。
この授業は来年度以降も開講される。福西教授は「自然保育の意義を深く学んでくれた。将来、保育現場で自然保育をリードする役割を担ってくれたら」と期待を寄せている。