学級人数30人以下に 幼稚園設置基準の改正検討(文科省)

2024年0904 福祉新聞編集部

文部科学省は8月22日に開催した幼児教育の在り方を議論する有識者検討会で、幼稚園設置基準を改正する意向を示した。省令を改正して原則35人以下とする1学級の幼児数を「30人以下」に引き下げることを検討。実施時期は今後詰めるとしている。

発達が気になる園児が増える中、こども一人ひとりの置かれた状況や発達の特性に応じて行き届いた幼児教育を推進するため、学級人数の引き下げが必要だと判断。加えて、保育士配置基準(4、5歳児)の76年ぶりの見直しや、公立小学校で全学年の学級人数を35人以下とする法改正がなされたことも背景にある。

幼稚園設置基準では各学級に専任の教諭を配置することや、園舎、運動場の必要な面積を学級数に基づいて算出することなどが規定されている。このため、学級人数の基準を引き下げた場合、教諭の人材確保や園舎の改修などに対応しなければいけない園が出てくることも想定される。

ただ、少子化や共働き世帯の増加に伴い幼稚園の学級規模は徐々に縮小しており、昨年5月1日時点で1学級の幼児数が30人以下の幼稚園の割合は94%に達している。今夏に文科省が実施した調査によると、「基準の引き下げにより影響がある」と回答した幼稚園の割合は3・8%だった。