「通所介護の崩壊招く」日本デイサービス協会、報酬改定に現場の実情訴え

2024年0405 福祉新聞編集部

約2900事業所が加入する日本デイサービス協会(森剛士理事長)は、2024年度介護報酬改定で通所介護の評価が低いことに対し、「運営継続を断念せざるを得ない状況をつくり出していく。現場の実情を勘案できない議論では通所介護を崩壊させていくことになる」とする声明を出した。

 

厚生労働省の介護事業経営実態調査における通所介護の収支差率は1・5%で全サービス平均(2・4%)より低かったが、基本報酬はプラス0・4%にとどまった。また、個別機能訓練加算Ⅰ(ロ)の単価も引き下げられた。

 

しかし、現場では物価やエネルギー関連費が高止まりし、人材不足や感染症の影響も受けており、協会は「これまで以上のコスト増に対応することは困難。現場の実情を受け止めてほしい」と訴えた。

 

また、介護予防・日常生活支援総合事業について、厚労省が運動器機能向上加算や事業所評価加算をなくす指針変更を示したことにも言及。協会の調査で事業者の4割が、報酬が低いから総合事業を受託していないとの結果を示し、「指針変更は受託事業者の減少を加速させることにつながる」と指摘した。

 

介護報酬改定は原則3年に1度だが、劇的な社会変化が起きた際は臨時改定で迅速に対応できるように体制を改善することも訴えた。