厚労省、報酬改定の検証案示す 委員「減額された訪問介護を詳細に」

2024年0327 福祉新聞編集部

厚生労働省は18日の社会保障審議会介護給付費分科会に、2024年度介護報酬改定の効果検証として来年度に4項目を実施する案を示した。そのうち「持続的なサービス提供の在り方」について複数の委員から、基本報酬が減額された訪問介護の実態を詳細に調べるよう要望があった。

 

持続的なサービス提供の在り方では、地域の実情に応じた効率的な取り組みや人材の有効活用などについて幅広いサービスを対象に調査する。訪問介護と通所介護などを組み合わせた複合型サービスの在り方も検討する。

 

24年度介護報酬改定では大半のサービスがプラス改定となったが、訪問介護は人材不足や燃料費の高騰などで厳しい経営状況にあるにもかかわらず、減額されたことに疑問や抗議の声が相次いでいる。

 

同様の認識を持つ委員も多く、サービス付き高齢者住宅などに併設する事業所と利用者宅を一軒ずつ回る単独型事業所の差異や、閉鎖した事業所の実態、事業所の規模別の経営状況を把握するよう意見があった。また、ほかのサービスに比べて高い加算率となった処遇改善加算(6月施行)の算定状況も調査するよう発言があった。

 

これに対して厚労省は「委員の意見を踏まえて具体的な調査内容は今後、専門委員会で議論する」とした。効果検証は専門委員会で詳細を詰めて9月に実施。結果は来年3月に報告される。

 

ほかの効果検証は「高齢者施設と医療機関の連携体制」「福祉用具貸与価格の適正化」「リハビリ・個別機能訓練、栄養、口腔の一体的取り組み」について実施する。