人付き合いに変化 孤独・孤立対策が必要〈高齢社会白書〉

2024年0627 福祉新聞編集部
高齢社会白書より

政府は21日、「2024年版高齢社会白書」を閣議決定した。内閣府の高齢者の住宅と生活環境に関する調査(回答数2677人)で、親しい友人・仲間が「たくさんいる」「普通にいる」割合が、5年前の調査より大きく低下した。毎日話をする人の割合も減り、特に1人暮らしでその傾向が顕著だった。

白書はコロナ禍で接触制限があった影響を指摘。孤独・孤立対策の推進や、今後1人暮らし高齢者が増える中で日常生活をサポートする担い手の検討が必要だとしている。

調査では、住宅や居住地の満足度が高いと幸福感も高いことが分かった。災害への備えをしている割合は5年前より大幅に増えた。

住宅の問題点は、持ち家の人は「防災や防犯の不安」「住宅が広すぎる」、賃貸住宅の人は「経済的負担が重い」「浴室などの設備が不便」が多い傾向にあった。

一方、65歳以上の就業者数は23年時点で914万人。20年連続で前年を上回った。産業別にみると「医療・福祉」は2番目に多い107万人だった。

23年10月時点で65歳以上の人口は3623万人。高齢化率は29・1%。37年には3人に1人が65歳以上になると推計されている。1人暮らし高齢者が増えて、50年には男女それぞれ65歳以上人口の約3割になると見込まれている。