要介護者の病院送迎 福祉法人が連携し実現(静岡・藤枝市)
2025年02月26日 福祉新聞編集部
介護タクシーが不足する中、静岡県藤枝市で市と地元の社会福祉法人、地域住民の3者が連携した福祉有償運送による要介護者の通院送迎サービス「おちゃまるタクシー」の運行が1月27日から始まった。
市が2023年に実施した居宅介護支援事業所へのアンケートによると、介護サービスを利用している要介護者のうち28%が介護タクシーの利用ができず、受診を延期したり、控えたりしていたことが明らかになった。
課題を受け、市は社会福祉法人が所有する福祉車両を活用した福祉有償運送による移動サービス実施の可能性について市内の社会福祉法人と意見交換。三愛会と富水会が実施を表明し、福祉有償運送実現に向けて準備を進めてきた。
両法人がデイサービスで使う福祉車両を「おちゃまるタクシー」として活用。市内北部を富水会、南部を三愛会が担当。車両を送迎に使用しない時間帯に、車いすを利用する在宅の要介護者を市内の医療機関などに送迎する仕組みだ。利用料は片道1600円。
運転、乗降支援は講習を受けた地域住民「サポーター」が担い、2人体制で運行する。サポーターの調整を含めた運行管理は両法人が担う。ガソリン代や備品の購入などの経費については市の補助金も利用可能だ。
1月24日に市民会館で出発式があり、北村正平市長が三愛会の阿井孝訓理事長と、富水会が運営する介護老人福祉施設「開寿園」の釜田博司施設長に自家用有償旅客運送者登録証を交付。利用者を乗せてデモ走行も行われた。