医療ソーシャルワーカー、患者の意思決定支援も業務に 厚労省が23年ぶり指針改正

2026年0322 福祉新聞編集部

 厚生労働省は13日、医療ソーシャルワーカー(MSW)の業務指針を改正し、都道府県に通知した。MSWの標準的な業務に「患者の意思決定支援」を加えた。患者の個別支援を通して得られた共通課題を組織的に解決するための体制整備(組織内活動)も業務範囲とした。

 改正は2002年11月以来23年ぶり。通知は医政局長名で都道府県の衛生主管部長、介護保険主管部長宛てに送った。今後の在宅医療の需要増を見据え、MSWの資質向上と関係者の理解を促すことが狙い。

 指針改正に併せて、日本医療ソーシャルワーカー協会(早坂由美子会長)は、指針の内容を説明した「業務基準」を策定。新しい業務指針は、それを参照して業務に当たるよう明記した。

 新しい業務指針は意思決定支援について、身寄りのない患者の入院治療や、人生最終段階の医療・ケアといった場面を念頭に置きつつ、すべての患者の多様な価値観を尊重して調整・支援にあたることと規定した。

 厚労省によるとMSWは患者の療養上の課題解決と社会復帰の促進にあたる職種で、全国に約3万人いる。主に医療機関で働くが、業務指針は福祉の専門職と位置付ける。

 固有の国家資格を持たず、社会福祉士や精神保健福祉士が採用条件となる例が多い。

 業務指針に法的な拘束力はないが、MSWが自身の業務を対外的に説明する際や、MSWを養成する上でのよりどころになる。

 指針改正を受けた早坂会長はコメントで次の通り述べた。

 「意思決定支援をMSWの業務のトップに位置付けた点が新指針のポイントだ。診療報酬の対象となる入退院支援が注目されがちだが、それ以外の場面でも患者の自己決定を支えることが業務の本質だ。この点を特に医療機関の長に理解してほしい。指針をかみ砕いて説明した業務基準は当協会が策定・提案し、指針に明記された。MSWはこの業務基準や倫理綱領も参照しながら実践してほしい」

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