身寄りない高齢者支援など議論 社会福祉の一括改正案〈厚労省〉

2026年0502 福祉新聞編集部

 社会保障審議会福祉部会が4月23日に開かれ、厚生労働省は社会福祉法などの一括改正案について説明した。委員からは頼れる身寄りのない高齢者への支援を積極的に進める意見が出る一方、実施に向けて現場と丁寧にやりとりするよう求める声も出た。                  

 一括改正案は介護保険法や社会福祉士及び介護福祉士法などを束ねたもので、5月にも国会で審議が始まる予定。頼れる身寄りのない高齢者らに対する支援強化に向けて、死後事務などを新たに第二種社会福祉事業に位置付けることなどが柱だ。

 会合で東京都社会福祉協議会の鳥田浩平副会長は、頼れる身寄りのない高齢者への支援について「これまで日常生活自立支援事業に取り組んできた社協の現場と丁寧にやりとりしてほしい」と要望。また、人材が不足している区市町村への配慮も求めた。

 全国社会福祉法人経営者協議会の谷村誠副会長は、頼れる身寄りのない高齢者への支援を積極的に進めたいと表明。社協が優先順位をつけて社会福祉法人に対応してもらう「トリアージ」の仕組みを提案した。

 一方で、日本知的障害者福祉協会の樋口幸雄会長は、頼れる身寄りのない高齢者の支援を営利法人が行うことに疑問を呈した。近年障害分野で起きている不正請求事件を踏まえ、本来の趣旨とは異なる運営になるリスクがあるとして、特に財産を扱う死後事務には厳格な選別を求めた。

介護の試験猶予も

 また、一括改正案には、介護福祉士養成施設の卒業生が国家試験に不合格でも介護福祉士として働ける経過措置を卒業後5年目まで延長することが盛り込まれている。2031年度の卒業者までが対象。卒業後6年目以降も合格せずに介護福祉士として働ける措置は26年度の卒業者までで終了する。

 これに対して日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長は「国家試験に合格しないと永久ライセンスにならない措置は望ましい」と評価。一方「経過措置そのものが完全に終了しないのは極めて残念。国民の介護に対する信頼を担保するためにも早急に終了してほしい」とくぎを刺した。

 なお、会合ではこれまで部会長を務めた菊池馨実早稲田大理事の退任に伴い、後任として同大教授の松原由美氏が就任した。

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