休んだら歩きだそう 神奈川県が若年女性の居場所開設

2025年0924 福祉新聞編集部
打ち合わせするスタッフ

神奈川県は1日、虐待などにより家族を頼れない15~29歳の若年女性が無料で通える居場所「アマヤドリスタジオ」を逗子市内に開設した。一時的に休める場とし、再び歩きだせるよう後押しする。今年度、困難な問題を抱える女性の通所施設をほかに2カ所開く予定で、いずれも民間団体に委託する。

アマヤドリスタジオ「援助要請力」も育む

アマヤドリスタジオの開所は平日の週4日、午前10時~午後4時。(1)安心して休む(2)自分の困り事や長所を見つける(3)人に助けを求める力を身につける――の三つが狙いで、利用は一部を除き無料だ。

委託を受けたのは公益社団法人アマヤドリ(菊池操代表)。登録、予約した上で映画鑑賞をしたり、ボードゲームで遊んだりできるほか、希望者は性教育、防犯、社会保障などを学ぶプログラムに参加できる。

スタッフは「社会保障は特に好評だ」と口をそろえる。気軽に通えるようハードルは下げつつも、料理や編み物など創作系のワークショップも用意する。

「何かを生み出すことを通じて再び歩みだす力をつけてほしい」という思いも強い。スタジオと名付けたのも、創作の場といった意味を込めたからだ。

生活費、住まい、心身の健康、人間関係といった困り事を解きほぐす個別の相談にも応じ、若い女性が自己決定できるよう支える。

県は2024年4月施行の困難な問題を抱える女性支援法に基づく県の基本計画で「気軽に立ち寄れる居場所の提供」を重点事項に位置付けている。

アマヤドリは20年12月の設立以来、若者支援をしてきた実績があり、県は「民間団体の特長を生かしてほしい」(共生推進本部室)としている。

0 Comments
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る