〈福祉施設職員退職手当共済〉支給要件「加入1年以上」から引き上げ

2026年11月07日 福祉新聞編集部

 社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方に関する検討会が2日に開かれ、厚生労働省は退職手当の支給対象となる加入期間を現行の1年以上から引き上げる方針を示した。具体的な年数は民間企業の状況などを踏まえて検討する。

 退職手当制度は福祉施設などを経営する社会福祉法人が対象で、法人全体の約8割が加入している。個人負担はなく、法人が納付する掛け金で同じ年度に必要な退職手当を賄う賦課方式で運営されている。ただ、近年の処遇改善などにより給付が増え、掛け金の引き上げを抑える支払準備金の急速な減少が課題となっている。

 会合で厚労省は、将来にわたって安定的に退職手当を支給できる制度とするため、給付と負担の双方を見直す必要があると説明。退職手当の支給対象者については、現行制度の加入1年以上から引き上げる方針を示した。

 民間企業の状況も踏まえ、より長く働く人を評価する。すでに加入している職員には不利益がないよう経過措置も設ける。

 現行制度では、退職前6カ月の本俸平均額を基に退職手当を算定する。これにより役職の辞任や職務の変更などで給与が減額される場合、一度退職するケースが少なくない。そのため厚労省は減額前の給与を算定に用いることができるよう変更する考えも示した。

 同時に近年の賃金上昇を踏まえ、退職手当の計算基礎となる月額給与の上限36万円についても引き上げる。

 一方、制度の安定運営に向け、法人が負担する掛け金の引き上げは避けられない見通し。ただ、厚労省は法人経営の予見可能性を高め、掛け金の引き上げ幅を平準化する方針を示した。

 掛け金を設定する際に収支の均衡を図る期間を現行のおおむね5年から、退職者の増加が見込まれる40年ごろを見据えた期間に延長する。長期的な収支を見通すことで、掛け金の急激な引き上げを抑える狙いがある。 

 さらに支払準備金が不足する場合には、必要に応じて福祉医療機構による借り入れも活用する考えを示した。

 検討会は今後2回ほど開いて、最終的な取りまとめを行う。

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