外国人職員の育成部会立ち上げ 研修共通化、精神面ケアも〈春風会・静岡〉

2026年0903 福祉新聞編集部
特定技能で再度介護福祉士の資格に挑戦しているティンさん

 静岡県沼津市の社会福祉法人春風会(石川三義理事長)は、法人創立50周年を迎えた昨年度、「外国人職員育成部会」を立ち上げた。外国人職員向けの教育・研修体系を法人内で統一するほか、情報交換会の開催による心理面の支援、各施設への育成担当職員の配置などを通じ、支援の質向上を目指す。

 同法人では7月現在、外国人職員39人が勤務している。内訳は、EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者が14人、特定技能が12人、既に介護福祉士資格を取得している職員(EPA、留学生)が6人、日本人と結婚し、永住資格を取得した職員が7人。国籍はインドネシア19人、フィリピン5人、ミャンマー8人など計9カ国に上る。

 このうち、こども園などで働く永住資格者5人を除く34人が、6カ所の特別養護老人ホームに配属されている。同法人の介護職員は常勤・非常勤合わせて約400人で、外国人職員が約8%を占める。

 部会は、川口和義特養ぬくもりの里施設長を部会長とする9人で構成。現在、外国人職員向けの教育・研修体系の統一を進めている。

 背景には、将来の介護人材不足を懸念し、2012年に初めてEPAで外国人職員を採用して以降、教育方針を配属先の施設に任せてきたことに加え、コロナ禍以降、特定技能の職員の採用も始めたことがある。

 EPAの場合、訪日前と訪日後にそれぞれ6カ月間の日本語研修が行われる。一方、特定技能には同様の研修がないため、配属時点の日本語能力の差が課題となっていた。

 部会では、採用から半年後、1年後などの節目ごとに習得すべき内容や到達目標を定めた共通の研修体系を整え、施設ごとの育成内容のばらつきを抑える方針だ。

 生活支援技術や法人理念、利用者の人権への配慮などを盛り込んだ法人独自の春風会ケアマニュアルを基に、外国人職員にも分かりやすいものを作成する予定だ。

 現場で孤立しないよう各施設に育成担当職員を配置して相談体制を充実させるほか、施設を越えた交流・情報交換会を開き、心理面の支援にも取り組んでいる。

介護の経験母国に

 特定技能で来日したアニサさんは、母国インドネシアで日本語学校の教員を務めていた。介護の実務経験を積んだ後は帰国する予定で、「介護現場で得た経験を、日本で介護福祉士を目指すインドネシア人に伝えたい」と語った。

 EPA介護福祉士候補者として一度来日したものの、資格を取得できずに帰国し、その後、特定技能で再来日したフィリピン出身のティンさんは、「利用者を支援し、『ありがとう』と言われるのがうれしい。日本で長く働くためにも頑張りたい」と意気込んだ。

 同法人では、新卒採用計画に対し、目標人数を確保できない年が続いている。今後もEPAや特定技能による外国人材の受け入れが欠かせない状況が続く見通しだ。

 石川理事長は「外国人職員は単なる労働力ではない。地域社会を支える担い手であり、コミュニティーの仲間でもある。安心して地域で働き続けられるよう支援していきたい」と話した。

 データ=静岡県で働く外国人介護人材は、24年度で1682人。4年前と比較して約3倍に増加した。在留資格別にみると、特定技能が最も多く746人で、次が技能実習で402人など。

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