介護保険第10期計画で指針 都道府県の積極的な関与を〈厚労省〉
2026年03月14日 福祉新聞編集部
社会保障審議会介護保険部会が9日に開かれ、厚生労働省は2027年4月から始まる第10期介護保険事業計画に向けた基本指針の方向性を示した。日本の高齢者数がピークとなる40年を見据え、都道府県による積極的な関与を打ち出したのが特徴。中山間・人口減少地域には、施設の人員配置基準緩和なども検討してもらいたい考えだ。
介護保険制度では、市町村が3年ごとにサービス量の見込みなどを盛り込んだ介護保険に関する計画を策定しており、都道府県も同様に支援計画を作る。基本指針は国がそうした計画策定の方向性を示すものだ。
会合で厚労省は、40年に向けて地域ごとのサービス需要が変わる中、第10期計画では都道府県の積極的な関与が重要だと指摘。特に、人口減少地域への対応や医療・介護連携、人材確保、生産性向上・経営改善支援などについて位置付けを明確化する必要があるとしている。
具体的には、介護サービス基盤を計画的に整備するため、都道府県と市町村が中長期的な推計を実施し、地域の関係者を含めてサービス提供体制の在り方を検討することを盛り込む。また、人口減少地域や大都市部、一般市といった地域の類型を念頭に置いた計画策定も求める。特に人口減少地域では施設の人員配置基準の緩和などを認める「特例介護サービス」の新たな類型についても議論してもらいたい考えだ。
さらに地域包括ケアシステムの深化に向け、頼れる身寄りがいない高齢者などを支える地域づくりや、都道府県が主体となる介護人材確保に関するプラットフォームなども盛り込まれた。
このほか厚労省は、基本指針に新たな別表を設けて、都道府県や市町村、地域の関係者が確認すべき指標を一覧として示してはどうかと提案。具体的に人口動態や要介護認定者数、介護保険施設数、利用者数、稼働率などを列挙している。
なお、今回の部会から新たな部会長に医療経済学が専門の野口晴子早稲田大政治経済学術院教授を選出。就任にあたり野口部会長は「エビデンスに基づく仕組みを大切にしつつ、制度の持続可能性と国民の安心の両立という観点から丁寧な議論を進めたい」などと述べ、委員に協力を求めた。
今後も部会では新たな基本指針について議論し、年内をめどに取りまとめる予定だ。

