身寄りない高齢者支援で新事業創設へ〈厚労省〉

2025年1220 福祉新聞編集部

社会保障審議会福祉部会(部会長=菊池馨実早稲田大理事)が15日に開かれ、厚生労働省は頼れる身寄りがいない高齢者らを支援する新たな事業の創設を盛り込んだ報告書案を提示した。社会福祉法人も実施主体に位置付け、死後事務などを行う。同部会は座長一任で終了。報告書を踏まえ厚労省は今後、社会福祉法などを改正する。

高齢単身世帯の増加が見込まれる中、報告書案は日常生活支援、医療機関や福祉施設に入る際の手続き、死後事務の支援といった課題への対応が必要だと強調。現在、株式会社などによる高齢者等終身サポート事業もあるが、一定の費用も掛かるため、資力がない人でも利用できる事業が求められていると指摘した。

このため、社会福祉法の福祉サービス利用援助事業を拡充して新たな第二種事業を位置付ける方針を示した。支援は社会福祉協議会や社会福祉法人など多様な実施主体が担うことを想定。市町村の責務にも位置付け、頼れる身寄りのない高齢者への支援を地域福祉計画に明記するようにする。

新たな事業の対象者については「判断能力が不十分な人や頼れる身寄りがいない高齢者など」と規定した。家族や親族の関係もさまざまなことから、一律に身寄りがある人を対象外とはしない。

具体的な支援については、定期連絡や金銭管理など「日常生活支援」に加えて、契約への立ち会いといった「入院・入所等の手続き支援」と、葬儀の手続きなど「死後事務の支援」の少なくとも一方を行うことを求めた。

原則、利用者負担で

利用料は、死後の葬儀や家財処分の費用も含めて原則、利用者負担とする。利用料水準については実施主体が設定。所得や資産の状況によっては無料または低額で利用できるようにする。

支援の開始時には都道府県知事へ届け出をする。知事は必要に応じて経営の状況調査や制限を行い、命令に違反した場合は罰則も課す。

報告書を受け厚労省は、早ければ来年の通常国会にも社会福祉法などの関連法案を提出する方針だ。事業開始までに相続など専門的な対応を行う体制や、利益相反とならない適切な運用などについて検討する。

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