災害ボラ・福祉センター常設 初の本部運営訓練〈山梨県社協〉

2025年1130 福祉新聞編集部
山梨県社協の訓練。被災状況などを記録した

生活が直撃される災害時こそ社会福祉協議会の出番だ。山梨県社協は11月23日、甲府市の山梨県福祉プラザで、災害ボランティア・福祉支援本部の運営訓練を行った。山梨県は災害が少なく本部を設置したことはないが、県社協は今春、全国の社協で8番目となる「県災害ボランティア・福祉支援センター」を常設した。初の訓練では、非常時体制の構築手順を検証して「どんな状況になっても、住民の言葉を代弁し続ける覚悟が必要だ」との思いを強くした。

<午前6時30分、甲府盆地の南縁を走る曽根丘陵断層帯を震源とするM7・3の地震が発生、甲州市で最大震度7の揺れを観測した。揺れは1分間、甚大な被害が出ている模様>

訓練は、こんな想定で県社協の職員ら25人が参加して始まった。

県社協の災害センターの職員は3人だが、災害時は社協の全職員約50人が参加して「災害ボランティア・福祉支援本部」を立ち上げる。その後、速やかに渉外班、市町村社協支援班、資機材調整・輸送班などに分かれて災害ボランティアの業務を開始。そのほかも、生活福祉資金班、DWAT(災害派遣福祉チーム)班に分かれて活動する。

訓練では、県社協常務理事の小澤祐樹さんが本部長となり、県災害対策本部からの被害情報の発表を受けて、第1回本部会議を開催。各班長が、初動時における対処方針を報告した。

その後、技術系・ボランティア団体などとの受援調整、県からのDWAT派遣要請などについて流れを確認。ICT(情報通信技術)を使った利便性の高い支援アプリへの被災状況の入力、使い勝手などを検証した。

訓練から4日後の27日に行った振り返りでは、被災地の社協に同じ問い掛けをしてしまう業務の重複や、被災地の市町村から県の本部にあがってきた資機材の確保への対応が十分にできなかったことなどが改善点として挙がった。

一方で、ばらばらだった記録や情報の吸い上げがICTの導入によって集約先が明確になったなどの成果も得られた。

現在、作成中の新体制での災害マニュアルに、振り返りの中身を生かして、年度内に完成させる方針だ。

震度7想定の甲州市では甲州市社協が市立勝沼体育館で訓練を実施。県社協から災害センター主事の根津敬太さんが参画して、甚大な被災状況の把握の手順や市町村社協との連絡、調整の方法などを点検した。

根津さんは、「災害時には災害ニーズだけでなく、潜在的にある困り事も可視化される。どこまで社協が対応するかといった問題が出てくると思いますが、そこで僕たちがすべてを投げ出した時点で、住民の目線で言葉を代弁するものがいなくなる。災害時の福祉支援には、覚悟が要ります」。

そして「ボランティアセンターは片付けセンターではないよ、と言っています。社協が関わる意味は、被災後のフェーズごとに住民の困り事は何か、新しいまちづくりを行うために、どんな人たちをエンパワメントして、地域を奮い立たせるか。それをコーディネートすることが使命です」。

山梨県社協の小山敏行事務局長は「初動の時点で、できるだけ間を置かず対応していくことが大事。平常時、災害時と使い分けできないので、日ごろの仕事の中で、災害時の対応を考えて業務をこなす。そんな気構え、姿勢が今回の訓練で培えてスタートラインに立てたと思います」と話した。

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