障害者の解雇、過去最多の9312人 8割がA型事業所〈厚労省〉

2025年0707 福祉新聞編集部

2024年度にハローワークが把握した障害者の解雇者数は9312人で、これまで最多だった01年度の4017人を大幅に上回ったことが6月25日、厚生労働省の集計で分かった。障害種別では精神障害者が4244人で最も多かった。また、9312人の8割にあたる7292人は、就労継続支援A型事業所で働いていた障害者だった。

解雇の理由は「事業廃止」5863件、「事業縮小」3195件など。A型事業所をめぐっては、24年4月の障害報酬改定で障害者に払う賃金が低いと事業所の報酬も低くなる見直しがあった。加えて物価や人件費の高騰もあり、経営難に陥り閉鎖する事業所が増え、そこで働いていた障害者が影響を受けたとみられる。

厚労省は24年11月に、24年3~7月のA型事業所の解雇者数は4279人と発表しており、8月以降も月平均にすると約450人ずつ増えたことになる。

A型事業所の解雇者7292人のうち、25年4月末までに再就職したのは2171人(うち別のA型事業所1573人)、B型事業所に移行したのは3834人(予定含む)で、合わせて8割強。残りの856人は求職中、431人は意向未定などだった。

一方、24年度にハローワークを通じて就職した障害者数は、前年度比4・4%増の11万5609人(延べ人数)となり、過去最多となった。新規求職申し込み件数も7・5%増の26万8107件で最多を更新した。