身寄りない人への支援強化 医療SW協会が厚労副大臣に要望

2025年0205 福祉新聞編集部
鰐淵副大臣(右から3人目)に要望書を手渡す野口会長

日本医療ソーシャルワーカー協会(野口百香会長)は1月22日、鰐淵洋子厚生労働副大臣に対して、身寄りのない高齢者らの支援強化などを求める要望書を提出した。身元保証等高齢者サポートを行う事業者に対する監督機関の明確化などを盛り込んでいる。

同協会によると、身寄りのない高齢者に対して、身元保証や死後の対応などを行う事業者は全国にあるものの、実態は不明。法人格も株式会社や一般社団法人などさまざまだ。

医療ソーシャルワーカーは緊急入院した高齢者を別の病院や福祉施設などにつなぐ際に身元保証を求められると、そうした事業者につなぐケースもある。

ただ、契約時に100万円以上の預かり金が必要で、サービス実態が不明などトラブルも少なくないという。中には死後の財産をすべて事業者に寄付する旨の契約書を提示する事業者もある。

同協会は、こうした支援を所管する省庁がなく、行政が関与する仕組みもない点を問題視。自治体の公的責任を明確化することや、入院や入所時に身元保証を求めないための具体的な手続き形式を通知することも求めた。

国の推計によると、2020年に738万世帯だった65歳以上の1人暮らしは年々増え続け、50年には1000万世帯を超える見込み。野口会長は「自治体によっても問題意識に温度差がある。今後、協会としても医療機関の全国調査を行いたい」と話している。