ストレスチェック、全事業所に義務付け(厚労省)

2024年1020 福祉新聞編集部

厚生労働省は10日、働く人のストレスチェックを全事業所に義務付ける方針を固めた。現在、従業員50人未満の事業所は努力義務で、実施率は3割にとどまる。業務上の負荷により精神障害となる人が増える実態を踏まえ、労働安全衛生法を改正してメンタルヘルス対策を強化する。

同日、厚労省の検討会がまとめた中間報告に義務化拡大の方針を盛り込んだ。従来、少人数の職場では従業員のプライバシーを守れないとする懸念があった。今般、外部機関を活用することで懸念を払拭ふっしょくできる環境が整ったと判断した。

ストレスチェックは同法に基づき2015年に開始。従業員50人以上の事業所に年1回の実施を義務付けている。仕事量や食欲などを尋ね、ストレスの度合いを数値化する。

受検結果は本人に知らされる。高ストレスと判定された従業員は医師の面接指導を勧められる。検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場環境の改善につなげることも事業所に推奨しているが、この点は義務ではない。

中間報告は、職場環境改善の義務化を引き続きの検討課題とした。厚労省の調べによると、外部機関がストレスチェックを実施した場合の費用は1人当たり数百円から1000円程度。医師が高ストレスの従業員を面接するときの費用は、1人当たり2万円前後という。