新たな居場所「つながる農園」 コミュニティビジネスで地域活性化(佐世保市社協)

2024年0709 福祉新聞編集部
田植えを楽しむ参加者=佐世保市社協提供

世代や立場の違う多様な人が農業を通じてつながる長崎県佐世保市社会福祉協議会の新たな居場所づくり事業「つながる農園」が6月始まった。市内の親子連れや高齢者らが同市世知原町の田んぼで田植え、稲刈り、収穫に取り組みながら交流を深めていく。米を販売して得た収益金は運営経費に充てるほか、地域課題の解決にも活用する。

事業の運営に当たっては、地元農家、農協の元営農指導員、市社協が運営する保育所によるプロジェクトチームが協力。肥料や農機具の準備、日々の米の世話は農家が担うほか、アイガモ農法で米を育てるため、アイガモのヒナの世話は保育所が担当した。市内の子育て団体や引きこもり当事者団体に参加を呼び掛けた結果、親子連れを中心に34人が参加することになった。

6月1日、同町の田んぼ(16アール)で田植えがあり、親子連れや地元農家から約50人が参加し、和気あいあいと苗を植えた。秋に稲刈りを行い、収穫した米は販売する。

今後5年をめどに、補助金に依存せず、収益金で運営費を賄うことを目指している。加えて、地域課題の解決に必要な経費にも拠出して同町が抱える耕作放棄などの悩みにもアプローチしていきたいとしている。

佐世保市の地域福祉計画・地域福祉活動計画では、地域が抱える課題をビジネスの手法で解決する「コミュニティビジネス」を推進することが明記されており、この農園事業でも自立した運営が求められている。