地域の支援が重要 全国家庭養護推進ネットワークがFLECフォーラム開催

2024年0321 福祉新聞編集部
左から村木氏、渡辺氏、潮谷氏

全国家庭養護推進ネットワークが主催する「第6回FLECフォーラム」が9、10日、早稲田大国際会議場(東京都新宿区)で開かれた。こども家庭庁の創設から1年を前に、今後も児童福祉の関係者が地域支援を行う重要性を確認した。

 

鼎談には、同ネット共同代表の潮谷義子・恩賜財団済生会長、渡辺由美子こども家庭庁長官、村木厚子・全国社会福祉協議会長が登壇した。

 

渡辺長官は鼎談に先立つ講演で、政府の3兆6000億円に上る「加速化プラン」では、こども虐待の対応強化も盛り込まれていることなどを説明。「自治体や民間団体との連携強化がこども家庭庁の基本姿勢だ」などと訴えた。

 

村木氏は厚生労働省の官僚時代、消費増税で確保できた金額が7000億円だったことを振り返り「政府が本気になり、予算倍増を打ち出したことは本当にすごい」と期待を述べた。今後の課題には自治体との連携を挙げた。

 

一方、乳児院施設長経験もある潮谷氏は「こども家庭庁がこども真ん中を貫けるか、我々は応援団としての役割が問われている」と指摘。地域でこどもの虐待が深刻な状況になる前に情報をキャッチするため、民生委員・児童委員をもっと活用すべきではないかと提案した。

 

これに対し村木氏は「社協職員も含め福祉的なマインドを持つ人がどれだけ情報をキャッチできるかが重要だ」と賛同。児童養護施設や保育所などで働く職員が利用者以外にも目を向けることが必要だと訴えた。