支援制度の拡充を 里親会が加藤大臣に要望

2023年1022 福祉新聞編集部
加藤大臣(中央左)に要望書を渡す河内会長(中央右)

来年度の改正児童福祉法の施行を前に、全国里親会(河内美舟会長)は10月5日、加藤鮎子・こども政策担当大臣に対し、里親支援体制の拡充などを盛り込んだ要望書を提出した。大臣要望は4月に続いて今年2回目。

 

国は来年度から里親の普及啓発や、里親の相談などを行う里親支援センターを創設。里親支援に力を入れる方針を示している。

 

これを踏まえ、要望書は同センターを早期に設置するよう自治体に促すとともに、既存の里親会との協働を明記するよう求めた。

 

また、正職員で共働きの里親に委託されたこどもの3人に1人は何らかの障害があるのが現状だという。

 

そのため、保育所や放課後等デイサービスなどを優先利用できるよう要望した。

 

さらに一時保護の受け皿として里親を活用するケースも増えるなど、里親への負担も大きくなっていることから、障害児加算やレスパイトケアの拡充などの制度改正も求めた。

 

このほか、全国共通の里親研修制度を創設することや、里親賠償保険を全額公費負担とすることも盛り込まれている。

 

加藤大臣への要望書提出にあたっては、元官房長官の河村建夫同会顧問も同席。提出後、取材に応じた河内会長は「要望には里親の悩みだけでなく、制度の根幹に関わるものも含まれている。改善に向け、ぜひ検討していただければ」と話した。