定員6人から4人に 日本ファミリーホーム協議会がこども家庭庁に要望

2023年0620 福祉新聞編集部
小松課長(右)に要望書を渡す北川会長

 日本ファミリーホーム協議会(北川聡子会長)は6月7日、こども家庭庁に対して、2024年度予算編成に向けた要望書を提出した。ファミリーホーム(FH)の定員について、現行の最大6人から4人にすることなどを盛り込んでおり、「養育者の熱意と涙ぐましい努力で成り立っている」と訴えている。

 

 FHは、虐待などにより支援の必要なこどもを里親や児童養護施設職員などが養育する第二種社会福祉事業で、08年に始まった。夫婦と補助者1人で養育するケースが多く、「家庭養護」に位置付けられる。現在全国に446カ所あり、1700人のこどもが暮らしている。

 

 要望書は、現在FHで暮らすこどもの半数に障害がある実態などから、こどもが6人いると丁寧な養育が難しいと指摘。結果的に補助者の増員が必要となり、赤字経営のFHもあるとして、現在の措置費のまま定員を最大4人にするよう求めている。

 

 また要望書は、施設養護と異なりFHには加算制度がないことも問題視している。地域小規模児童養護施設の場合、地域分散化した際の加算や自立支援担当職員への加算などがあるため、こども6人に対する職員は最大6・5人になるという。

 

 一方でFHにも施設と同様に行政対応や監査、研修などがあり、事務量も多い。要望書は「夜間も含めて24時間365日養育しており、こどもへの思いや熱意で成り立っている実態がある」と訴えた。

 

 このほか、障害児を受け入れた際の加算なども求めている。

 

 北川会長は同日、小松秀夫・こども家庭庁支援局家庭福祉課長に要望書を提出。提出後、北川会長は「創設時よりもこどものケアニーズは高く、年齢も上がっている。善意頼みの体制ではこどもの声をしっかり聞くことはできない。家庭養護の成り手が増えるような体制が必要だ」と話した。

 

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