古本回収し地域福祉に活用 横浜信金、ブックオフ、社協が連携協定
2022年05月10日 福祉新聞編集部横浜信用金庫(大前茂理事長)は4月18日、61の全店舗に不要となった本やCDなどの回収ボックスを計64箱設置した。来店者が託したものを中古本販売のブックオフコーポレーション(堀内康隆社長・相模原市)が集荷・査定し、買い取り額のすべてを信金の名義で横浜市社会福祉協議会(荒木田百合会長)に寄付する。
社協はひとり親家庭の支援など地域福祉に役立てる。誰でも気軽に寄付できる文化を広げ、資源の有効活用を含むSDGs(持続可能な開発目標)の普及を図る。
信金、ブックオフとこうした目標を共有し、15日、連携協定を締結した。初年度の寄付額は150万円超を見込む。
全国に約800店舗を持つブックオフが金融機関と連携協定を結ぶのは初めて。同社が個人や団体から回収した古本を査定し、寄付に充てる仕組みはすでにある。過去12年間の寄付総額は約3億6000万円。
信金の事務負担が重くなるとの見方もあるが、信金は「店舗に回収ボックスを置き、本がたまったら集荷依頼するだけでいい。実にシンプルな仕組みだ」(ソリューション支援部)という。
社協は信金という信頼性の高い機関が回収拠点と寄付の主体となることで、寄付に参加する人が増えると判断。簡素な仕組みなので全国各地の信金、社協で同様の取り組みが広がるとみる。
寄付の使い道は社協が決め、使った結果は2021年11月に立ち上げた特設サイト「ヨコ寄付」などで報告する。古本などの提供者一人ひとりに直接報告できないだけに、広報に力を入れる方針だ。
社協は19年4月、寄付文化を広げるための専任課長を配置し、同12月には専門の相談窓口を開設。21年6月には、地域福祉の推進について信金と包括協定を結んでいた。