子ども関連予算GDP比3%へ 市民団体が8政党に要望
2022年03月29日 福祉新聞編集部さわやか福祉財団会長の堀田力弁護士らが代表を務める市民団体「子どもと家族のための緊急提言プロジェクト」は3月15日、子ども家庭支援関係の予算について、GDP比3%を目標とすることを柱とした提言をまとめた。
国立社会保障・人口問題研究所の「社会保障費用統計」によると、2018年度の家族関係社会支出は約9兆円で、GDP比1・7%。これに8兆円ほど上乗せし、少子化対策の充実したフランス並みにするよう求めた。
こども家庭庁創設の設置法案が今国会で審議されることを踏まえ、同日、参議院議員会館で8政党の国会議員を集めた討論会を開催。堀田氏は「子ども家庭支援を政争の具にしてはいけない。国民の理解を得てしっかり財源を確保してほしい」と要請した。
提言の主眼はこども家庭庁が所管する施策のうち、乳幼児・未就学児とその家庭への支援だ。妊娠や出産にかかる費用を無償化することで、安心して子どもを産み育てられる「皆支援」を提唱した。
5歳までの未就学児については自治体の責務として、すべての子どもに幼児教育・保育を保障する「皆保育」を提言した。
孤立しがちな妊産婦や家族を妊娠・出産から切れ目なく支援し、親の働き方や所得に関係なくすべての子どもに幼児教育・保育を保障する社会を目指す。
登壇した議員8人は予算増について賛同した。その上で「国や自治体がどのような施策にどの程度予算を使っているのか、不思議なことに誰に聞いても分からない。まずは予算の執行状況を把握することが大切だ」(自民党の自見はなこ参議院議員)という声も上がった。