福祉法人が居住サポート住宅を運用 独居高齢者、障害者らを支援

2026年0619 福祉新聞編集部
一般のマンションを安価で借り利用者に転貸している

 住宅確保要配慮者の入居を支援するため、国土交通省と厚生労働省が連携して2025年10月1日に始まった認定制度「居住サポート住宅」。名古屋市の共生福祉会(齋藤亮人理事長)が、社会福祉法人として初めて認定を受けた住宅を運用している。家賃の高騰で住宅確保が難しくなる中、相談支援を行う現場担当者に居住支援の現状や課題を聞いた。 

 居住サポート住宅は、生活困窮者や独居高齢者、障害者ら住宅確保要配慮者が安価に借りることができる。NPO法人や株式会社などが事業に参画しており、5月時点で全国277戸の登録がある。社会福祉法人の登録は同法人含めて2者のみにとどまっている。

 登録条件として床面積の制限や風呂、トイレ、キッチンが備え付けられていること、安否確認と見守り、福祉へのつなぎを義務付ける「専用住宅」を1戸以上整備することも必要とされる。

 共生福祉会は、市内で借り上げ、利用者に転貸する民間賃貸住宅4棟21戸が、1月に居住サポート住宅の認定を受けた。

 現在の利用者は、高齢者6人、障害者13人、低所得者2人。いずれも同法人が運営する「ソーネ居住支援センター」や「障害者基幹相談支援センター」などに生活相談に来て入居が決まった。年齢は25歳から87歳と幅広い。家賃は名古屋市から補助が出て、自己負担額1万円から2万1000円。21戸中2戸を専用住宅として運用していて、人の動きを感知するセンサーによる安否確認、月に1度の職員による定期訪問を行っている。

 ソーネ居住支援センターで居住支援相談を担当する職員の崔保さんは「最近は独居高齢者からの相談が増えた」と話す。

 あるケースでは、80歳を超える男性が認知症の影響でローンの支払いが滞り、自宅を手放すことになったという相談を受けた。施設入所を嫌がり1人暮らしを望んだため、毎日ヘルパーを入れる条件で入居。現在も暮らしている。

 専用住宅に住む高齢の利用者とは、定期的に顔を合わせて話をするため「徐々に身の上話をしてくれるようになり、打ち解けてきた」(崔さん)。

 支援を続ける一方で、住宅確保の難しさもある。課題について崔さんは「近年の物価高が影響している」と話す。

 同市での生活保護費のうち、単身世帯の住宅扶助費は3万7000円。この金額をベースに物件を探しているが、賃料の高騰で対象となる住宅が減っているのが現状だ。

 居住サポート住宅は一時入居を目的としていないため空きが出づらい。同法人の昨年の居住支援相談は112件、うち59件が入居を実現したが、不動産会社を紹介して別の低廉な住宅に住んでもらうことも少なくなかった。

 今後も現状の住宅を維持しながら、引き続き居住支援を行っていく方針だ。


 共生福祉会 障害の有無を越えて共に働き共に生き、暮らす共同体づくりを進めてきた団体「わっぱの会」を母体とし、1987年に社会福祉法人を設立。障害者、高齢者、生活困窮者らへの幅広い支援を行っている。

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