京都市がケアラーの包括的相談窓口を開設 全国で5例目

2026年0728 福祉新聞編集部
京都市社協内に設置された窓口

 2024年秋にケアラー支援条例を制定した京都市が27日、市社会福祉協議会に委託して、包括的相談窓口「京都市ケアラーサポート」を開設した。ケアラー支援条例を制定している36自治体のうち、分野や属性を問わない相談対応を行う窓口を設置している自治体は全国で4例あり、同市が5例目。今後、ケアラーへの情報提供、調査・研究なども進める計画で、先駆的な運用が期待される。

 市のケアラー支援条例は、ケアラー当事者とその支援者による市民団体「京都ケアラーネット」(事務局=立命館大人間科学研究所)の活動なども背景に、議員全員の共同提案・全会一致で成立した。

 市はその後も同ネットなどと共に「京都市ケアラー支援推進協議会」を立ち上げて、当事者からの提言やアンケートに基づき「支援推進計画」を作成した。

 家族などを日常的にケアしている「ケアラー」。ひとくくりに語られることもあるが、ヤングケアラー、認知症介護の家族や医療的ケア児の家族、精神疾患患者の家族など、その立場は多様で、悩みもさまざま。相談しようにも、どの窓口に行けばいいのか分からないケースも多い。

オンライン相談も

 市は「ケアするあなたを、ケアするまちに」をキャッチコピーに、社会全体でケアラーを支える取り組みを推進してきた。その中で、すべてのケアラーが迷わず安心して相談できる、包括的な相談窓口の設置を計画。公募で京都市社協が受託し、市社協のある「ひと・まち交流館京都」4階に市ケアラーサポートを開設した。 

 相談窓口は、市社協内に今年度からスタートした「よりそい支援センター」が担う。月~土曜日の午前9時~午後5時(祝日と年末年始は除く)。相談員3人の体制で、対応を始めた。

 地域住民や学校、企業などから「心配なケアラーがいる」といった相談も受け付け、来所が難しい人には自宅訪問やオンラインで相談に応じる。メール、LINEから24時間相談を受け付ける。

 市ケアラーサポートでは相談対応のほか、ケアラーや元ケアラーが語り合える居場所や、活躍の場を見い出すための情報提供、市民を対象としたケアラーに関わる研修講師の派遣、ケアラー支援の充実につなげる調査・研究、啓発活動も進めていく。

 市の調べによると、包括的な窓口を設置しているのは、北海道の栗山町と浦河町、長崎県、さいたま市の4例。手探りのスタートだが、支援方法が確立されていない相談や解決法を蓄積することで、全国のケアラー支援の先例になることが期待される。

 5日に開かれた同ネットが主催する公開学習会では、行政側と意見交換を実施。「まちをあげてのケアラー支援」という新局面にあたり、今後も当事者や市民が参画して進めることを確認した。

 市社協事務局次長の田中昌宏さんは「複合的な課題を抱えるケアラーの世帯は、早期に相談につながることができず、孤立し深刻化してしまうケースがある。介護自殺などの悲しい事件を防ぐ一助となる相談窓口を目指したい」と話している。

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