「高齢者施設は券待たずに追加接種を」 老施協などが施設に呼び掛け
2022年02月21日 福祉新聞編集部 「高齢者施設は接種券を待たずコロナワクチン追加接種(3回目)を受けてほしい。自治体は高齢者施設に積極的な働き掛けや支援をしてほしい」
オミクロン株の感染が収まらず高齢者施設のクラスターが増える中、全国老人保健施設協会、全国老人福祉施設協議会、日本認知症グループホーム協会は2月10日、厚生労働省内で共同会見を開き、こう呼び掛けた。
3団体合同調査(2月3~9日実施)によると、回答した5829施設の36%に感染者か濃厚接触者がいた。追加接種は入所者、職員とも「おおむね終わった」は41%で、「調整はしているが終わっていない」が42%あった。
接種が進まない理由は多い順に「ワクチンが今後届く」「接種券がそろってから対応する」「行政などから連絡を受け準備中」「2回目接種から6カ月たっていない」――だった。
高齢者施設の入所者、職員は2回目接触から6カ月たてば追加接種ができる。接種券がなくても接種可能だが、そのことを知らなかったり、手続きが二度手間になるので接種券がそろうのを待ったりして接種が遅れている状況がある。
全老健の東憲太郎会長は「1、2回目接種に比べて危機感が薄い。一刻も早く接種することが大事。自治体は接種券なしでも接種しましょうと働き掛け、国は接種間隔が6カ月以内でも接種できるようにしてほしい」と話した。また、老施協の大山知子副会長は「早期接種の促進とともに感染症専門医をクラスター発生施設などに至急派遣してほしい」、GH協の河﨑茂子会長は「公的機関、民間機関が意思疎通を図って進めないといけない」と述べた。
後藤茂之厚労大臣は16日の国会で高齢者施設の追加接種について「2月末までに確実に完了できるよう取り組んでいる」と話し、15日付で自治体に協力を求める通知を出したことも説明した。