千葉県の児相が民間委託 リスク低いケースの安全確認で

2024年0215 福祉新聞編集部

千葉県は児童相談所が受理した虐待通告のうち、リスクが低いと判断したケースの安全確認を民間事業者に委託する方針だ。2024年度当初予算案に委託費3700万円を計上。県児童家庭課によると、社会福祉法人などが委託の対象になる見通しだ。

 

千葉市を除く県内6カ所の児相が22年度に受けた児童虐待に関する相談対応件数は8747件で都道府県別で4番目に多く、高止まりの状況。県は26年度中に印西市と松戸市に児相を開設するなど機能強化を図っている。

 

一方、児童福祉司ら児相職員の採用難に加え、休職や退職する人もおり、人手不足が深刻だ。国の配置基準は満たしているものの、県の配置目標には達していない。

 

こうした状況を踏まえ、「児童安全確認民間協力員事業」と銘打ち、多忙を極める児相職員が深刻な事案に注力できる体制を整える。

 

虐待通告受理後、48時間以内に行う家庭訪問による安全確認について、リスクが低いと判断したケースに限り民間事業者に委託。相談件数の多い中央(千葉市)、市川(市川市)、柏(柏市)の3児相で運用する方針だ。

 

1法人に委託する予定で、1チーム2人体制の常時2チームで365日午前11時~午後9時まで対応してもらう。民間に対応してもらうケースの判断については、一定の基準などを設けることも検討する。