電動アシストお散歩カー、9月から受注開始 保育士の負担軽減へ
2026年09月10日 福祉新聞編集部
こどもを複数人乗せたお散歩カーを手押しで移動させている保育士の負担軽減に向け、ヤマハ発動機のグループ会社、ヤマハモーターエンジニアリング(YEC、静岡)と保育所用お散歩カー大手の五十畑工業(株)(東京)は、電動アシストを搭載した保育所向けお散歩カー「てくてくスワニー」を共同開発した。
五十畑工業によると、電動アシストお散歩カーを求める声がかねて多かった。同社は10年以上前、電動アシストお散歩カーを受注生産していたが、電気部品の調達困難などの理由から製造中止になった。長らく後継機種を開発できないでいたところ、YECからの提案で共同開発することになった。
YECが消防向けの電動アシストホースカーで培った技術をお散歩カーに応用し、車体構成は五十畑工業が担当した。保育施設へのヒアリングや評価を繰り返しながら、これまでのお散歩カーに近い感覚で操作できる電動アシストお散歩カーを2年半かけて完成させた。

お散歩カーに搭載された電動アシストユニット
高さ101センチ、幅79センチ、奥行107センチ。重量は50キロ超。1~3歳のこどもを6~8人乗せることができる。保育士が押し引きする力をセンサーが検知し、前進に加え、後進、旋回、減速時でも自然にアシストしてくれる点が強みだ。ノーパンクタイヤを採用しており、避難車としても活用することができる。
最終試作品の試走で協力した横浜市保土ケ谷区の「ゆめの樹保育園ほどがや」(社会福祉法人フィロス、定員60人)は急な坂道の中腹にある。散歩では、保育士が園児4人乗車のお散歩カーを押すなどして最寄りの公園や駅に向かうという。
佐々木真由美園長は「こどもの様子や周囲の交通状況に気を配りながら坂道を上り下りするのは大変。ピンポイントでお散歩カーに目を向けてもらったことはうれしい」と話す。
電動アシストお散歩カーに1歳児クラスの8人を乗せ、園前の坂道で押して動かした20代の女性保育士は「(従来の散歩カーよりも)力を使わずにスムーズに動かすことできた」と効果を実感。同園は2台ほどの購入を運営法人に要望しており、佐々木園長は「安全確保はもちろん大事だが、電動アシストの力を借り本来の保育の部分により力を入れられる」と期待を込めた。
電動アシストお散歩カーは9月から受注開始。3タイプを用意し、希望小売価格は79万8000円~84万円(税別)。

