介護報酬改定で処遇改善の必要性明記 厚労省が基本的視点案を発表
2026年10月10日 福祉新聞編集部
社会保障審議会介護給付費分科会が9月30日に開かれ、厚生労働省は2027年度の介護報酬改定に向けた「基本的な視点案」を発表した。物価や賃金の上昇が進む中、介護人材の確保や定着に、さらなる処遇改善が必要だと明記。同時に、サービス提供の実態などをきめ細かく把握した上で、介護報酬体系を簡素化する考えを示した。
27年度から始まる第10期介護保険事業計画の期間は、85歳以上の人口が増える40年を見据えた取り組みを本格化させる時期。介護サービス需要については増加する地域と減少する地域の差が一層広がる見込みだ。これを踏まえて視点案は改定に向けた五つの視点を示した。
最初に掲げたのは、物価や賃金の上昇などへの対応だ。
25年度調査で全サービスにおける赤字事業者が約4割に上ったことから、経営状況などを適切に把握して、物価や賃金の上昇を介護報酬に適切に反映することを明記。経営の安定と処遇改善の実現を目指す方針を示した。
また、介護保険制度の安定性も求めた。近年、現役世代の保険料負担の増加に対する懸念がある中、介護報酬財源の有効活用が必要だと指摘。評価の適正化や、報酬体系を整理し簡素化する。
さらに、介護現場の生産性向上などを通じたサービスの質の向上も掲げた。専門性を発揮できる環境づくりのため、職員の負担軽減や職場環境の改善などに力を入れる。
このほか、中山間地域での加算の見直しなど、需要に応じたサービス提供体制や、独居高齢者の増加などを踏まえた地域包括ケアシステムの深化も盛り込まれた。

