高次脳機能障害支援法が成立 施策の実効性を確保

2025年1223 福祉新聞編集部

病気や事故により脳が損傷し、注意障害や失語などが生じる高次脳機能障害者を支援する新法が16日、参議院本会議で全会一致により可決、成立した。超党派の議員立法で、国と自治体は総合的な支援策を講じ、その取り組みを公表し、実効性ある施策とするよう規定。都道府県は中核となる支援センターを設置する。

施行は2026年4月1日。施行から3年後をめどに見直しを検討する。

高次脳機能障害者は全国に約23万人いるとされる。外見上は分かりづらく、その特性の理解が進まず、診断できる医師も少ないため、適切な支援を受けられないでいる。

新法では基本理念に、高次脳機能障害者の自立と社会参加を確保し、社会的障壁を取り除く支援策を講じるよう定めた。医療や福祉、教育など関係機関が連携し、切れ目ない支援を行う。家族への支援、相談体制の整備、専門人材の確保などの施策にも取り組む。

高次脳機能障害のある弟と本会議場で成立を見守った片岡保憲日本高次脳機能障害友の会理事長は「高次脳機能障害者や家族に対する理解、人材育成や施策の予算化が進むことを期待する一方、現場でもしっかり法律を生かしていきたい」と話している。

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