法人合併の指針改訂 政府、介護の規模拡大を促進〈デジタル行政改革会議〉

2024年0630 福祉新聞編集部

政府のデジタル行財政改革会議は6月18日、デジタル技術活用の方針を決めた。人材確保が難しい介護事業所については、協働化や大規模化を促す。今年度中に先行事例を集めて周知するほか、社会福祉法人の合併手続きのガイドラインを改定する。介護ロボットやICT(情報通信技術)機器を導入して業務を効率化するには、事業規模の拡大が不可欠とみている。

協働化・大規模化に当たり第三者による仲介に必要な経費を支出できることも明確にする。法人合併に必要な経営資金は福祉医療機構が優遇融資する。大規模化の必要性とその方策について、厚生労働省は「すべての介護関係者に、あらゆる機会を捉えて積極的に発信する」と意気込む。

相談系の福祉サービスは、デジタル技術の活用により音声データの自動テキスト化、相談記録の要約などを進める。社会福祉法に基づく市町村の「重層的支援体制整備事業」は、関係者が情報共有するための相談記録のプラットフォームを構築する。

岸田文雄首相は同日の会議で「デジタル活用を阻害する規制や制度の徹底した見直しを進める。今後5年間で、公務員の数を増やさずに行政サービスを持続できる環境をつくる」と抱負を述べた。