「年収の壁」で意見交換 首相と企業経営者ら

2024年0417 福祉新聞編集部
経営者らと意見交換をする岸田首相

政府は3日、「年収の壁・支援強化パッケージ」の助成金に係る意見交換会を開催した。会合で岸田文雄首相は、「年収の壁」解消に向け、社会保険の加入要件を見直す議論を進める考えを示した。

 

パートなどで働く人が106万円の年収を超えると配偶者の扶養を外れ、社会保険料を支払う必要がある。そのため、手取り収入が減ることを敬遠して、働くことを抑制する「壁」があると指摘されてきた。

 

こうした壁が人材不足に拍車を掛けているため政府は2023年10月から、手取り収入を減らさないよう保険料を負担した企業などに対し、労働者1人当たり最大50万円を支援する新たな制度を設けている。

 

会合には、飲食業のすかいらーくホールディングスや、小売業のライフコーポレーションなど4社の経営者らが出席。従業員からは「これまで職場の仲間に対して心苦しい思いだった。補助金は長く働くきっかけになった」などの声が出た。

 

岸田首相は「すでに20万人が制度を活用している」と述べ、今後もさらに制度の周知徹底と、「年収の壁」が生まれる制度そのものの見直しを進める考えを示した。