認知症新薬「ドナネマブ」販売を承認 投与期間は最大1.5年(厚労省)

2024年1013 福祉新聞編集部

厚生労働省は9月24日、米国の大手製薬会社イーライリリーが開発したアルツハイマー病の治療薬「ドナネマブ」(商品名ケサンラ)の国内での製造販売を承認した。脳内に過剰に蓄積した原因物質を除去する薬としてはエーザイとバイオジェンが共同開発した「レカネマブ」(商品名レケンビ)に続いて国内で2例目。

ドナネマブは患者の脳内にたまる異常なたんぱく質「アミロイドβ」を除去し、認知症の進行を抑える。対象は、軽度の認知症と認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人。投与は1カ月ごとに点滴で行い、原則として最長1年半まで。投与中は約半年ごとに認知機能検査、患者、家族から自覚症状などの聞き取りをし、薬の有効性が期待できない場合は中止する。

今後、公定価格である薬価の審議が行われ、保険適用されることになる。

認知症の人と家族の会の鎌田松代代表理事は「治療の選択肢が増え、開発企業に感謝する。多くの人が利用できる薬価としてほしい。併せて認知症に理解のある共生社会づくりも進めてほしい」と話している。