患者の医療・介護情報を共有 横須賀・三浦地域の「さくらネット」 

2024年0926 福祉新聞編集部
「さくらネット」の仕組み(神奈川県ウェブサイトより)

神奈川県は横須賀・三浦地域で患者の医療・介護情報を、地域の医療機関や介護施設などで相互共有するためのネットワークシステム「さくらネット」を始動した。患者にとっては重複検査や重複処方を防げるほか、災害などの緊急時にも役立つとしている。

対象の地域は、いずれも県南にある横須賀市▽鎌倉市▽逗子市▽三浦市▽葉山町の「横須賀・三浦二次医療圏」。当該地域の病院が中心となって設立した一般社団法人さくらネット協議会が運営し、ネットワークシステムの構築費用は県が支援した。

参加施設は269カ所。このうち訪問看護ステーション37カ所▽居宅支援事業所・介護施設51カ所▽病院32カ所▽クリニック75カ所▽薬局74カ所。患者の同意のもと、個人の医療・介護情報(過去の診療・手術歴、薬剤アレルギー情報など)を、参加施設の間で相互に共有する。

他の医療機関で受けた検査データや処方薬の情報を参照できるため、重複検査や重複処方、一緒に飲んではいけない薬の回避などが可能になる。患者の身体的、経済的負担の軽減に加え、より安全で安心な医療・介護サービスを受けることができる。

このほか、救急搬送された際に正確な情報が医療者に伝わり、災害時にも医療・介護情報を損失する恐れがないといったメリットがある。