ねんりんピック27年大会の中止撤回を 全国老人クラブ連合会が要望

2024年0427 福祉新聞編集部

公益財団法人全国老人クラブ連合会(村木厚子会長)は4月10日、武見敬三厚生労働大臣に対し、中止予定となっている2027年度ねんりんピックの開催を求める要望書を提出した。大会が全国の高齢者の生きがいになっているとし、開催見送りは「誠に遺憾」と表明。これに対し、厚労省は代替案を検討する考えを示した。

ねんりんピックは、60歳以上の人たちが参加するスポーツと文化の祭典。23年度の愛媛大会では、29種目に全国から延べ53万人が参加した。大会の経済効果は129億1700万円に上るなど地域への影響も大きい。老人クラブは開催当初から運営に協力。地域の踊りや工芸品を伝えるパビリオンも開設してきた。

ところが、厚労省が27年度大会の開催を模索したものの、コロナ禍を理由に手を挙げる都道府県がなかったという。そのため厚労省は3月1日、開催を見送ると発表した。

10日、厚労省を訪れた松島紀由・全老連常務理事は「高齢者を代表する団体として、少しでも日々が前向きになるようお願いしたい」と要望。これに対し、間隆一郎厚労省老健局長は「伝え方が十分ではなかった。大会の意義は十分に理解している」と述べ、代替案を検討していることを明らかにした。