終活支援優良事業者、認証1号に福祉法人 透明性高いルール設定(静岡市)

2024年0412 福祉新聞編集部
認証式で市から認証通知書の交付を受けた増田理事長(中央)

静岡市の「終活支援優良事業者」の第1号に同市駿河区にある社会福祉法人まごころ(増田正寿理事長)が認証され、3月28日、市庁舎で認証通知書が交付された。身寄りのない高齢者が増える中、身元保証などを行う事業者とのトラブルが起きており、市が申請のあった事業者を審査して認証することにより、市民が安心して事業者を利用した終活ができるようにする。

 

こうした取り組みは政令市で初めて。認証基準は「組織運営」「契約の締結・履行」「サービスの管理」の3部門で計30項目ある。

 

例えば、契約締結時に第三者が立ち会うことや、事業者は利用者の遺贈を受けないことなどで、透明性の高いルールを設けている。

 

同法人は地域の身寄りのない独居高齢者を支えるため、2022年1月に身元保証事業を開始。現在、80代を中心に約40人の利用者がおり、主に病院や銀行への付き添い、入退院手続きの支援などのサービスを提供している。利用者の死後対応の実績もある。

 

専属の職員は2人。月に一度、利用者宅を訪問して顔の分かる関係を保っている。市の認証基準の項目には「各サービスの費用の公開」があることから、ウェブサイトで詳細な料金も掲載している。

 

身元保証事業に取り組むことは社会福祉法人の使命でもあると言う田中努・身元保証事業部長は「ルールに則ってサービスを提供することにより、クリーンな業界にしていく旗振り役ができれば」と意気込む。

 

認証期間は3年。市はウェブサイトや地域包括支援センター、民生委員らを通じて周知していく。