介護・障害分野、他産業並み賃上げを 自民党調査会が決議まとめる
2025年12月13日 福祉新聞編集部
自民党の社会保障制度調査会(田村憲久会長)は4日、介護や障害分野で働く人の賃上げを求める決議をまとめた。11月に閣議決定された支援パッケージは「止血」だと指摘した上で、他産業平均と遜色ない賃金水準となるような報酬改定を行うよう求めている。
急激な物価高騰や他産業での賃金上昇が続く中、介護や障害分野の事業者の収入は公的価格で決まるため、すぐに対応することができない。そのため決議は、このままでは人材不足に拍車が掛かり、医療・介護崩壊を招くと危機感を示した。
実際、介護の施設系サービスで5割、在宅系サービスで4割が赤字となっており、2025年度の平均賃上げ率は2・5%にとどまる。一方、今年の春闘による平均賃上げ率は5・25%に上る。
こうした中、政府は11月末、総額1兆4000億円規模の支援パッケージを閣議決定した。介護や障害分野で働く人に月1万円の賃上げを行う方針も示している。
決議は支援パッケージについて「あくまで止血である」と指摘。その上で、公的価格により安定的に収益を確保できる環境を求め、26年度の報酬改定では他産業と遜色ない賃金水準となるよう要請した。
改定にあたっては、賃金や物価上昇に伴う税収や保険料の増収分を活用するよう提案している。

