基礎構造改革から25年、現在も進行中 社会福祉懇談会セミナー

2025年0612 福祉新聞編集部
シンポジウムでは基礎構造改革の目的や意義を再確認した

社会福祉法人全体の質の向上に向けて政策提言などを行っている「社会福祉懇談会」(山田雅人会長、事務局=社会福祉法人クムレ)の第63回経営セミナーが5月29日、都内で開かれ、約70人が参加した。テーマは「社会福祉基礎構造改革から25年」。山田会長はあいさつで「私たち福祉人がどのように進んでいけばよいのか学び直しができれば」と説明した。

「制度の維持継続を」

福祉サービスを措置から契約に転換した基礎構造改革について、基調講演した関川芳孝大阪公立大名誉教授は「2000年で終了したわけではなく、現在も進行中。契約制度の維持継続を図るため今後もさまざまな改革が続く」と持論を語った。改革の次のステージとしては契約制度では救えないはざまの問題(セルフネグレクト、ヤングケアラーなど)への対応が考えられ、社会福祉法人が行政と協力して地域を巻き込んで取り組んでいくことが求められるとした。

シンポジウムには当時の厚生省社会・援護局で基礎構造改革に関わった、坂本大輔国立障害者リハビリテーションセンター企画統括官・障害福祉研究部長、本後健厚生労働省障害保健福祉部企画課長らが登壇した。

坂本氏は法案作成に関わり「社会福祉法に利用契約を入れたことが一番光るところ。省内では『理念先行で中身がない』と逆風が強かった」と振り返り、入省1年目だった本後氏は「改革するぞという局内の満ちた雰囲気が忘れられない。質の評価など改革の理念をまだ超えられていない部分もある」と話した。

進行役を務めた古都賢一全国社会福祉協議会副会長は当時の2人の上司で、当事者しか分からない苦労話なども展開された。

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