障害サービスの収入構造

2025年0314 福祉新聞編集部

1保険給付と自己負担

障害福祉サービスの収入構造の説明として施設入所支援を取り上げる。障害者総合支援法による自立支援システムは多種の障害福祉サービスが整備され、自立支援給付(九つの介護給付と八つの訓練等給付)および地域生活支援事業からなり、居住を伴う事業でも施設入所支援は介護給付の事業として位置付けられる一方、共同生活援助は訓練等給付の事業に属する。

給付

2006年に障害者自立支援法が施行され、障害者支援施設サービスの対価は措置費から自立支援給付費へと移行し、12年6月には障害者総合支援法に改正され、現在に至っている。自立支援給付費の基本単位などは「障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」として告示されている。

2施設入所支援サービス費の構造

自立支援給付費の全体像を把握するためには、緻密かつ詳細に定められた報酬単価の膨大な資料、告示を読み込む必要があるが、施設入所支援サービス費の算定構造は、基本部分マイナス減算プラス加算である。基本部分単価に影響を与えるものは①利用定員の合計数②障害者支援区分であり、24年4月から定員規模の刻みが4段階から6段階へ細分化され、より細やかな報酬設定となっている。基本部分の1単位の評価(円価)は人件費の水準と割合に配慮し、施設の地域区分(8区分)ごと、障害福祉サービスごとに設定されている。

施設入所支援サービス費算定構造図

3障害者支援区分と定員

障害者支援区分は身体障害、知的障害等の特性を反映できるように1から6に区分され、サービスの内容ごとに支給量と有効期間が定められる。施設入所支援サービス費の一定の支援区分ごと、定員区分ごとに基本単価がどのように設定されているかをまとめたのが次表である。定員規模が増加するごとに全支援区分で基本点数が増加するが、増加の刻みは小さくなっている。

差分図

4自己負担

支給決定に合わせて、利用者負担上限月額が設定される。利用者負担上限月額は世帯の所得水準に応じて定められるが、負担上限月額がサービス費用の10%を超える場合は10%負担となる。また、障害の有無にかかわらず必要となる費用は支給対象から除かれ、全額利用者負担(特定費用)としてサービス種類ごとに定められている。施設入所支援では食事提供費および光熱水費、特別居室提供費、被服費などが特定費用とされる。

特定費用は施設との契約により価格が決められるが、適正な徴収額に資するために「障害福祉サービス等における日常生活に要する費用の取り扱いについて」が厚生労働省通知として出されている。