福祉の魅力をアニメCMで 埼玉県内の法人など共同制作
2025年01月30日 福祉新聞編集部埼玉県内の社会福祉法人、福祉専門学校など13団体が制作した福祉の魅力を伝えるアニメコマーシャルが評判を呼んでいる。計4本(各35秒)あり、春編は学生、夏編は再就職、秋編は転職、冬編は外国人がテーマ。「この仕事のありがとうには嘘がない」など福祉の仕事の魅力が分かるフレーズを入れ、リアルでクオリティーの高い仕上がりになっている。
他業界から福祉業界に転職した福應渉さん(社会福祉法人めぐみ会常務理事)が「福祉はマイナスイメージが強くて魅力が伝わっていない」と感じる中、当時放映していた建設会社のアニメCMが気に入り、これなら幅広い世代に伝えられると思った。
1法人では限界があるため、近隣の法人などに呼び掛け、福祉の魅力向上実行委員会(現在14団体)を設立。参加法人の紹介で尚美学園大(川越市)、映像会社にも協力してもらい、アニメCMを拡散させるためSNSのフォロワーが多いピアニスト、松尾優さんに楽曲を依頼した。声優には参加法人の職員も参加。制作費は協力して負担した。
約1年前にインターネットに公開してからホームページの閲覧数が8倍に増えた法人があり、面接時にアニメCMを見たという応募者もいた。アニメCMは参加法人が自由に利用できる。職員が声優を体験したチラシを作り、就職説明会で活用しているという熊木佐知男さん(社会福祉法人美咲会理事長)は「面白い取り組みをしていると興味を持ってもらうきっかけになる」と言う。
福祉の人材不足が深刻化する中にあって福應さんは「福祉は実践者の時代に入っている。チャレンジしないともったいない」と前向きだ。