新資格「こども家庭SW」 取得に手厚い支援(こども家庭庁)
2025年01月20日 福祉新聞編集部今年度から誕生する新たな認定資格「こども家庭ソーシャルワーカー」の取得に向けた動きが佳境を迎えている。こども家庭庁は昨年12月17日、都道府県などに新資格の重要性を訴える事務連絡を出した。必要な研修費や旅費への補助など手厚い支援メニューもアピールし、取得を後押ししたい考えだ。
新資格は、児童相談所や市区町村のこども家庭センター、児童養護施設など現場経験者が主な対象。新人と管理職の中間程度の専門性を想定している。必要な研修を修了し、3月の試験に合格すれば取得できる。
研修は社会福祉士や精神保健福祉士など国家資格の有無や勤務年数によって四つのルートがある。
例えば、児童養護施設で2年以上働いた社会福祉士や精神保健福祉士を対象とする1号ルートの場合、指定研修(100・5時間)だけで受験可能だ。両資格はないが、児童養護施設で4年以上働いた人が対象の3号ルートであれば、指定研修に加えてソーシャルワーク研修(97・5時間)も必要になる。
こうした研修を実施する機関には今年度、日本福祉大や早稲田大など13団体が手を挙げた。定員は指定研修に限ると980人だった。
研修方法も対面やオンラインなどさまざまで、費用も指定研修で7万~27万円と幅がある。卒業生割引を打ち出す団体もある。
これに対し、同庁は新資格取得を後押しするための施策を打ち出している。2024年8月には実務経験とみなす施設の対象を拡大。放課後児童クラブや病児保育など大幅に広げた。
取得に掛かる費用も一部負担する。研修費用は、1号ルートで18万7000円を補助する。追加研修も必要な2号ルートは23万6000円、3号ルートは25万8000円。最も研修時間の長い保育士を対象にした4号ルートは34万6000円だ。
また、研修受講中に職場に代替職員を配置する費用としては1日当たり8620円、最大22日分を補助。研修実施機関が開く演習を受ける際の旅費として1人当たり12万8000円も計上した。
新資格を取得した職員を児童養護施設などの施設に配置すると、最大で月2万円程度の手当を上乗せする補助も設けている。
ただし、施設職員がこうした支援を受けるには、都道府県が児童虐待防止対策等総合支援事業補助金に申し込む必要がある。
同庁支援局虐待防止対策課は「新資格は研修などを通じて地域の関係機関とのネットワーク拡大にもつながるため、積極的に活用してもらいたい。次年度以降も研修実施機関を増やすなどして児童福祉の現場に新資格を根付かせたい」などと話している。