職業紹介の規制強化 許可条件に転職祝い金禁止など

2024年0808 福祉新聞編集部

厚生労働省は職業紹介事業の規制を強化する。職業紹介事業者が就職者に「祝い金」を渡して転職勧奨することを繰り返し、手数料収入を得る違反行為をなくすため、祝い金や転職勧奨の禁止を職業紹介事業の許可条件に加え、指導監督を受けても違反行為が続く場合は許可を取り消せるようにする。介護、保育、医療分野を含む全事業が対象となる。

7月24日の労働政策審議会の部会に規制強化案として示し、委員から大筋で合意を得た。職業安定法の省令や指針を改正し、秋ごろ公布する予定。

規制強化案はほかに、職業紹介事業者に対し、職種ごとに常用就職の平均手数料率(例=年収の30%)の実績を厚労省の「人材サービス総合サイト」で開示することを義務付ける。求人情報などの提供事業者に対しては、利用料金、違約金規約の明示を義務付け、利用者に誤解が生じないよう書面やメールで明瞭に示すよう求める。違約金規約の明示は職業紹介事業者にも求める。

さらに求人情報などの提供事業者が金銭などを提供することを原則禁止する規定を新設する。来場者確保のため転職フェア来場者にギフト券500円程度を提供するケースなどは例外的に認める。

また、ハローワークについて、主に介護、保育、医療分野の人材確保を支援する専門窓口の整備などを行う。