突然閉園の保育所、別法人の運営で再開(津市)
2024年04月14日 福祉新聞編集部社会福祉法人ライト(愛知県岡崎市)の経営悪化で昨年6月末に突然閉園した津市美里町の私立保育園「美里さつき保育園」をめぐり、別の社会福祉法人が土地と園舎を取得して4月に新たな保育所を開所させた。地元や保護者から旧園に代わる保育所の開設を求める声が上がっていた。
運営するのは、大阪府内で企業主導型保育施設4カ所を運営するNPO法人あいうえお(同府貝塚市)が設立した同名の社会福祉法人。保育所名は「あいうえお保育園」で定員は38人。旧園に通っていた20人を含む29人が通う。
法人本部は園と同じで、津市が法人の経営状況を監査していく。旧園を運営していたライトは広域で事業を展開していたため、法人監査の所轄庁は愛知県だった。
旧園の閉園をめぐっては、ライトが市に対し、経営悪化を理由に閉園を申し出たのは閉園4日前の昨年6月26日。市は園児の転園などの緊急対応に追われ、閉園時の園児58人のうち、希望した57人を約10キロ離れた白山町の市立白山こども園で受け入れ、その後も希望者には転園の調整を行ってきた。
この保育所以外にも、ライトは2019年9月に静岡市内の特別養護老人ホーム3カ所の運営を突然放棄。愛知県福祉総務課によると、現在、社会福祉法人格は残っているものの、経営悪化で運営していたすべての事業所から撤退。社会福祉事業を何一つ実施していない状況で、負債の返済や固定資産の処分先を探している状況だという。