水害被害の特養「千寿園」が再建 高齢者福祉の拠点に(熊本・球磨村)

2024年0218 福祉新聞編集部
再建された千寿園

2020年7月の豪雨で利用者14人が亡くなった熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」(社会福祉法人慈愛会)の新施設が1月19日に竣工し、隣接する人吉市内で運営していた仮施設などから利用者が随時入所している。村唯一の高齢者福祉の拠点として村民の期待が高い中での再建となった。

 

新施設は旧施設から約2キロ離れ、30メートルほど高台にある。鉄筋コンクリート造で一部2階建て。延床面積は約3500平方メートル。入所定員は60人(ユニット型個室と多床室の混合)。ほかに短期入所(定員10人)、通所介護(同30人)のサービスも提供する。防災機能として約30時間稼働する非常用発電設備と、垂直避難を支援するためのエレベーターを設置した。

 

土地は村からの無償貸与。総工費は約15億円で国の老人福祉施設等災害復旧費補助を受け、約3分の1が法人の実質的な負担となる。

 

球磨村の人口は約2800人で高齢化率は49・6%。村内の介護保険サービス事業者は慈愛会のほかは社会福祉協議会(訪問介護、通所介護、居宅介護支援)しかない。

 

千寿園の再建にあたり村の担当者は「高齢者から受け入れてくれる施設がないと安心して暮らせないとの声が寄せられていた」としている。