2026年を迎えて〈コラム一草一味〉
2026年01月17日 福祉新聞編集部
わが国は第二次世界大戦により民間人80万人を含む310万人もの戦死者を出し、住宅や工場など多くの資産も失った。私は戦争末期、1945年3月の東京大空襲の直後、5月末に東京の下町で生まれた。同級生には、勝利、勝男、護、かつ子といった名の子が多くいたが、9月以降の生まれになると一転し、和男、和子、幸子といった名前が多くなった。
2025年の出生数は66万人台とみられるが、1947年は267万8000人で、私の入学時、戦災の被害が随所に残る町中にある小学校は、教室不足で午前と午後に分かれる二部授業制であった(47年当時の平均寿命は男50歳、女54歳)。
戦後わが国は、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、すべての世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することのできる社会をつくることを目指した。日本国憲法の下で思いを新たに、一人ひとりの基本的人権の尊重、民主主義、国際協調と平和の実現を目指して、不戦と平和の国際社会実現へ貢献してほしいと切に願う。
しかし、ロシアによるウクライナ侵略戦争や、パレスチナの人道危機が継続し、気候変動、頻発する自然災害、パンデミックなど、安心安全の生活を脅かす事象が続発している。昨年末から今年にかけては、中国軍による台湾包囲の大軍事演習、米軍がベネズエラを急襲し大統領を米国に移送、イランでの民衆運動弾圧といった平和と人権を脅かす重大事件も起きた。
わが国は出生数と人口の減少が続いており、高齢化の進行と地域社会の衰退、高機能病院と介護サービスの経営危機といった事態に直面している。現役世代の手取り収入の増加、所得税がかかり始める108万円の壁の見直し、景気対策のためガソリン暫定税率の廃止などが大きな政治課題となった。
発足3カ月の高市内閣は昨年末、一般歳出が史上最多の70兆1557億円の26年度予算案を閣議決定した。現役世代の社会保障負担率(国民所得に占める租税と社会保険料の負担の割合)が上昇しないよう、すべての世代が能力に応じて公平に負担し支え合うことを基本としている。社会保障関係費は、実質的な伸びを「高齢化による増加分(5200億円)」におさめた上で、「経済・物価動向等への的確な対応分」を加算して、39兆559億円とされた。

