市民ぐるみで「まちのつながり」 滋賀・甲賀市、みんなでeーこうか
2026年01月06日 福祉新聞編集部
滋賀県甲賀市で新しい地域づくりが進んでいる。8年10カ月になる市民活動団体「みんなでe―こうか」の活動。新年も甲賀忍法ならぬ甲賀流「まちのつながりづくり」の動きが加速しそうだ。
「みんなでe―こうか」は、福祉・介護・保健・医療・教育に携わる関係者や市民の有志が集まったネットワークグループだ。
2017年2月に、甲賀市社協の大谷喜久さんや甲賀市地域共生社会推進課の課長、竜王真紀さんらが中心となって立ち上げた。
「単に混ざり合うだけでなく、時には『弱さ』や『痛み』をさらけ出し、分かち合い、励まし合える場として活動しています」と竜王さん。大谷さんも「みんなが弱音を吐くことができて、お互いの力を引き出せるネットワークづくりに取り組んでいます」と話す。
コロナ禍で3年ほど中断したが、これまでに市民を巻き込んだ年に1、2回の「イノベーションサロン」や社会的孤立など地域の困りごとをみんなで考え、解決に結びつける仕組みづくり、クロス人材の育成を目的としたワークショップ「コミュニティコーピング」などを実施してきた。
サロンには毎回約100人が参加して、専門職同士や専門職と地域住民との顔の見える関係を築いてきた。
また、生活困窮者を対象にした年末の炊き出し「年の暮れの夕暮れに」に参加。
ボランティアやフードバンクスタッフ、福祉関係職員、市役所有志ら約40人と共に企画・運営に当たり、来場する約170人に米や菓子などを配布している。
異彩を放つのが、25年6月に発行した新書「コーポ・ミルフィーユの住民会議」(みんなでe―こうか刊)。甲賀市職員の中井浩喜さんが編集長を務めて、「この人に会ってみたい」「この人に相談してみたい」というきっかけづくりを狙った小説仕立ての人物図鑑だ。
帯封は、日本地域福祉学会長の永田祐さん(同志社大社会学部教授)が書き、「幾層にも重なるそれぞれの物語の協奏から、ともに生きる社会の輪郭を描く」と紹介している。
大谷さんは「e―こうかは、失敗できる場所、面白がる場所。新しい年、『まちのつながり図鑑』というキーワードで、新たな展開を進めていきたい」と話している。

